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健康豆知識

Hib、肺炎球菌

 Hib(ヒブ)とはヘモフィルス・インフルエンザ菌b型という細菌のことです。冬に流行するインフルエンザとは全く違います。細菌性髄膜炎、肺炎、敗血症、喉頭蓋炎などの重い感染症を引き起こします。肺炎球菌も細菌性髄膜炎、肺炎、敗血症、中耳炎などの原因になる細菌です。

 以前行われた国内の調査では、Hib髄膜炎を発症する乳幼児は年間約600人、肺炎球菌髄膜炎を発症する乳幼児は年間約200人と推定されています。

 細菌性髄膜炎の患者の85%が4歳までの乳幼児です。発症すると発熱、嘔吐、頭痛、意識障害、けいれんなどの症状がみられますが、発病初期には診断がつかないこともあります。多くは抗生物質の投与で治癒しますが、約5%は死亡し、約25%は後遺症が残ります。近年抗生物質に抵抗を示す耐性菌の増加も問題になっています。

 欧米ではHibワクチン、肺炎球菌ワクチンがすでに定期接種化されています。アメリカでは1990年にHibワクチンが定期接種化され、5歳以下の乳幼児のHib感染症は95%減少しました。2000年には肺炎球菌ワクチンが定期接種化され、肺炎球菌による重い感染症が98%減りました。

 日本でもHibワクチンは2008年に、小児用肺炎球菌ワクチンは2010年に導入されました。いずれも任意接種のワクチンですが、2011年には公費の助成により5歳未満の子どもは無料で受けられるようになりました。現在、定期接種への追加が検討されています。どちらのワクチンも生後6カ月までに接種を開始するのが標準の接種スケジュールですが、接種開始時期が遅れた場合でも接種は可能です。お近くの医療機関にご相談下さい。

上尾キッズクリニック 竹下和秀


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