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健康豆知識

発達障害

 子どもたちは発達に伴って、コミュニケーション能力を獲得し、他の人たちとの関係を築く力を身に付けて、人間社会に適応していきます。発達障害は、そのような発達の過程で気付かれる行動や認知の障害です。



 発達障害には自閉症スペクトラム、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの種類に分けることができますが、1人の子どもに複数の症状が併存してみられることもあります。



 自閉症スペクトラムとは、コミュニケーションが取りにくい、こだわりが強いといった自閉症の特性を持つ状態を指します。以前は、言葉の遅れや知的障害を伴う「自閉症」や言葉の能力の高い「アスペルガー症候群」、またはそれらを含む「広汎性発達障害」という診断名が用いられましたが、2013年に国際的な精神疾患の分類と診断の手引(DSM)が改定され、「自閉症スペクトラム」という名称に統一されました。



 ADHDとは、注意力が散漫、落ち着きがない、衝動的に行動してしまう、などの行動の特性が強く、生活上の困難を抱えてしまう障害のことです。



 LDとは、読むこと、書くこと、計算すること、推論することなどの特定の学習にだけ、著しく困難を示すものです。頑張っても一向に学習の効果が上がらずに自信を失うことがあります。



 これらの障害は、おおむね幼児期または学童期に特徴が明らかになってきます。気付いたら心配して悩まずに、かかりつけ医や保健師、発達支援相談センター、教育センターなどに相談をしてみましょう。必要に応じて、発達障害の専門医を紹介します。発達障害を根本的に治すことはできませんが、適切な支援・指導を行うことで、社会生活に適応しやすくなります。


 

(平成29年8月)上尾キッズクリニック 竹下和秀


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