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健康豆知識

慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)

 最近はテレビの宣伝などにも登場している肺の生活習慣病といわれるCOPD。たばこを吸っている、あるいは過去に吸っていたという人はもうCOPDにかかっているかもしれません。喫煙は全身の臓器に悪影響を及ぼしますが、肺では呼吸する力が次第に衰えていき、普通の空気の中の酸素量では足りずに酸素吸入をしていないと生きていけなくなります。厄介なことにこうした状態になるともう元の正常な体には戻せません。世界的に見てCOPDが原因の死亡は増加傾向にあります。40歳以上で長く続くせきやたん、急いだときの息切れなどがある人は要注意です。

 これらの症状はたばこを吸い続けることで、また年を重ねることでだんだん進行していきます。年だからと片付けてはいけません。単に年を取るだけではせき、たん、息切れは出てきません。もしこうした症状に心当たりのある場合には呼吸器内科などで検査(スパイログラム、レントゲン検査など)を早めに受けましょう。

 たばこをやめることが最大の治療であり予防なのですが、なかなかやめられないのも事実です。この原因はたばこの煙に含まれるニコチンという成分が邪魔をしているからです(ニコチン依存症)。現在このニコチン依存を薬剤で取り除く治療が保険適応になっていて、禁煙効果を上げていますので利用するのもよいでしょう。近年一定以上進行したCOPDを、禁煙はもちろんのこと薬剤で治療すると、呼吸機能低下の進行を遅らせ、寿命を伸ばせることが示されました。早めの禁煙と薬剤治療を受けることが肝要です。

榎本医院 榎本哲


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