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健康豆知識

脂質異常症

 脂質異常症は、以前「高脂血症」と呼ばれていました。しかし、動脈硬化を改善させる善玉のHDLコレステロールは数値が低いほど悪いので、今では「脂質異常症」と呼んでいます。脂質異常症は血液中の脂肪分が増えすぎて、血液がドロドロになっている状態です。少しずつ血の巡りが悪くなり、やがて動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳梗塞などの恐ろしい病気を引き起こします。食べ過ぎや飲み過ぎなどの悪い習慣や運動不足、それらによる肥満や、精神的ストレスなどによって脂質異常になることが多く、遺伝的なことが関係している場合もあります。若いうちは男性に多いのですが、更年期を境に女性も発症することが多くなります。



 脂質異常症は全く症状がありません。そのため治療せずにいる人が多く、心臓病や脳疾患の症状が起きてから、初めて事態の重大性に気付くことも少なくありません。まず自分の血液の脂質の状態がどのような状況であるかを、特定健診などで毎年しっかり把握をしておく必要があります。



 また同じ脂質異常症でも、次の@〜Cに該当する人はその影響が強く現れるので、より積極的な治療が必要です。@以前に心筋梗塞、脳梗塞などになったことがあるA糖尿病・高血圧・肥満であるBたばこを吸うC血縁者に動脈硬化性疾患の人がいる



 普段からの正しい食習慣と運動で、脂質異常症を起こさないことが一番の予防手段ですが、すでに脂質異常症になっている人は、心臓や脳の病気にならないために血清脂質をコントロールすることが大切です。

 

(平成27年6月)山中内科クリニック 山中秀峰


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