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健康豆知識

高血圧・塩分摂取

 わが国では成人の3人に1人、高齢者の3人に2人が高血圧といわれています。高血圧の予防と治療は国民的課題であり、そのためには塩分摂取制限が大切です。塩分摂取で口渇(こうかつ)となり、水分を取ることで血管が張りつめ、高血圧となります。さらに慢性化すると動脈硬化に進展し、脳梗塞・心筋梗塞を発症し、生命を脅かします。




 現在、日本人の一日塩分摂取量は約10cですが、高血圧を予防するための目標は男性8c未満、女性7c未満です。高血圧の人であればより厳密な制限が必要で、6c未満といわれています。欧米の基準はさらに厳しく、一般人は6c未満、高血圧の人は4c未満です。そもそも人間の塩分摂取量は石器時代は1〜3cだったといわれ、現在でも1c未満で生活している南米の部族もいることから、塩分必要量は1〜2c程度です。熱中症のように大量の発汗時は塩分補給が必要ですが、私たちの日常では必要量をはるかに超えた食生活を営んでいるため、基本的には制限することが勧められます。




 塩分摂取量は、医療機関での尿検査で分かります。制限しているつもりでも実際は多く摂取している人が多いようですので、まずは調べることをお勧めします。日本人の塩分摂取の元はしょうゆが最も多く、次いで漬物、みそ汁、魚との報告があります。




 減塩のポイントは、@外食・加工食品(一般的に塩分が多いのですが、最近は減塩もあります)に注意し、麺類はスープを残しましょう。A酢や香辛料は食塩を含まず、血圧への影響が少ないです。B塩分の多い調味料(しょうゆ、みそ他)を減らしましょう。減塩しょうゆも有効ですが、量を増やさないようにしましょう。C食品の塩分含有量表を目につく冷蔵庫などに張っても良いでしょう。


 

(平成30年8月)榎本クリニック 榎本信行


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