トップ > 健康豆知識 > ロタウイルス、ノロウイルス

健康豆知識

ロタウイルス、ノロウイルス

 毎年、11月から翌年5月頃にかけて胃腸炎が流行しますが、その多くはロタウイルスとノロウイルスが原因です。流行時期のピークはロタウイルスが2〜5月、ノロウイルスは12月〜翌年2月です。かかりやすい年齢は、ロタウイルスは5歳以下がほとんどで、特に6カ月から2歳ごろに多いのですが、ノロウイルスは年齢に関係なくみられます。


 ロタウイルスは感染から1〜2日後に激しい嘔吐(おうと)、発熱で発症し、白っぽい下痢がみられ、1週間ほどで治ります。けいれんや脳症、急性腎不全、心筋炎などの合併症を起こすことがあり、意識の低下やけいれんなどがあれば救急受診が必要です。


 ノロウイルスは感染から1〜2日後に嘔吐で発症します。下痢や腹痛、発熱を伴うことがあります。通常は1〜2日で治りますが、乳幼児や高齢者では脱水に注意が必要です。


 どちらも感染力は非常に強く、患者の便や嘔吐物に含まれるウイルスが手を介して口に入る糞口感染で感染します。ノロウイルスはカキなどの二枚貝を充分に加熱しないで食べた場合や、嘔吐物の飛沫を吸いこむ飛沫感染でも感染することがあります。汚物の処理にはマスクや手袋を着用し、希釈した塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム含有)で消毒します。アルコール消毒はほとんど効果がありません。


 令和2年10月から乳児を対象としてロタウイルスの経口生ワクチンが定期接種になりました。初回接種は生後6週から14週6日までです。既に平成23年から任意接種が行われていますが、国立感染症研究所感染症疫学センターのサーベイランスではロタウイルスの検出報告数が平成25年以降は半分以下、入院が必要な重症患者も減っており、予防効果が証明されています。

(令和2年12月)上尾中央総合病院


ページの先頭へ