上尾市医師会からのお知らせ

関節痛

関節痛は、何らかの原因で関節が炎症を起こしたり、関節内の構造物に損傷が起こったり、クッションの機能を果たす軟骨が消失して痛みが生じたりすることにより、膝や背骨、手指など全身のあらゆる関節に生じます。症状としては、関節痛のほか、発熱や頭痛などの症状もあったり、体を動かすのが億劫であったり、安静にしても関節の痛みが引かなかったりもします。関節の痛みが一度だけでなく、何度も繰り返し現れる場合もあります。原因として考えられる主なものには、変形性関節症・関節リウマチ・痛風などがあります。
変形性関節症は、関節にある軟骨がすり減ることで関節に痛みが出る病気で、主に膝や腰、手指の第一関節に生じやすいといわれています。軟骨は骨が受ける衝撃を和らげたり骨同士の摩擦を防いだりするクッションのような役割がありますが、加齢や体重増加、筋力低下、外傷、スポーツ、肉体労働などさまざまな要因ですり減ります。
関節リウマチは、免疫機能の異常によって関節に炎症が生じる病気です。主な症状は、手足の指や手首の関節の痛みや腫れ、朝のこわばりなどです。そのほか全身の倦けん怠たい感や微熱、食欲低下など全身に症状が現れることもあります。日本の患者数は推定約83万人で、30〜40歳代の女性に発症しやすいといわれています。
痛風は、関節に尿酸の結晶が沈着して激痛を伴う病気です。症状は足の親指の付け根や足首、膝といった関節のほか、手の関節にも発生する可能性があります。男性に多く発症するとされており、暴飲暴食や肥満などが原因と考えられています。市販薬を使用しても関節がひどく痛む場合や、安静にしていても関節痛がある場合などは注意が必要です。
関節痛のほかにも何らかの全身の症状が現れている場合や、症状がいつまでもよくならない場合には、軽視せずに早めに医療機関を受診しましょう。